
5話「相」
皐月は後悔していた……いくら人と顔を会わせるのがイヤだからと言って普段学校へ着けて行った事の無い眼鏡を着けて登校してしまった事に……
昨日は無断で学校を休んだ、いつも彼女を遠巻きにして眺めてるだけの情けない連中も彼女を憧憬のまなざしでみつめる生徒もまた今日彼女に向ける視線は違っている。
長かった髪は肩で切りそろえられ、引きずるようだったスカートもまたミニと呼べるほどの物に変わっている、とはいえ昨日までの彼女の行動が一般生徒に埋没させてはくれずに、奇異と好奇の目も持って迎えられる結果となった。
そして自分の表情を隠そうと思ってつけて来た眼鏡はその彼女に向けられた一人一人の物言わぬ重圧を直視する結果となったのだ。
皐月はようやくその視線から抜け出してトイレに駆け込み、そっとハンカチを目にあてる、悔しくて涙が出ていた。
「嬉し泣き?」
不意に背後から声がしたかと思ったらスカートの中に冷やかな風があたる。
「ひっ なぜここに……」
嬉しそうにスカートの中を覗き込んでいる正史がいた。
「ちょっと自由に動き回らせると言いつけを破るんだから、朝コンビニでも寄って来たんだね」
皐月のパンティーに手をかけながらそう言う。
「こんなのペットにはいらないよ、よく犬に服を着せてるのを見るけどぼくは反対だな、人間と犬とは友情で結ばれてるけど違う生き物なんだからね……」
「出てってよ……お願いだからもうそっとしておいてよ!」
当たり前のように話している正史に切れたように叫ぶ。しかし正史は涼しい顔で
「まあ君は毛皮が付いてないし、服は着ててもいいよでも何枚もいらないだろ? 下着は脱ごうね」
そう言って下から微笑みかけて来る……
「どうするの? もう一度誰がご主人様か教えてあげなきゃいけないの?」
正史は皐月の言葉など一つも聞いていないように命令だけを伝える。
「わかったわ……わかったから、個室へ」
「ここで脱ぐの、人が来るとまずいのは君でぼくじゃ無いよ」
そう言ってにっこりと微笑む……
「はい……」
もう抵抗など出来なかった、彼の手には今もスタンガンがあることが見て取れたし、ここに人が来て困るのは確かに彼女の方だったから……
足の先からゆっくりとパンティーを脱ぐと正史にわたす、その時休み時間終了を告げるチャイムがなり
「まだ誰か残ってる? 早く教室に戻りなさい!」
と、まるで小学生でも相手にしているかのような教師の声が聞こえる、そう今年の春に大学を卒業してこの学校に赴任して来たばかりの弥生先生だ。
皐月とはその服装の事や就学態度の事でよくぶつかっていた。
「まだ,トイレにいるのは誰?」
ひょっこりと顔をだした弥生と目があう。
「あの……」
皐月がどもっていると
「これ落とし物ですよ」
と皐月のパンティーを弥生にわたして
「放課後視聴覚室に来なよ、絶対だよ」
と皐月にだけ聞こえる声で耳打ちすると出て行ってしまう。
「え? えぇ?」
戸惑い気味の弥生は正史をおって出て行こうとして立ち止まると。
「そうやって普通にしてれば、充分可愛いわよ、なににつっぱっていたとか私にはわからなかったけど今のあなたの方が素敵に見えるわよ」
それだけ言うと正史を追っていってしまった。
「素敵……なに言ってるのよ、ホント人を見る目無いんだから……私レイプされたのよ……犬にまで犯されたんだから……馬鹿じゃないの……」
ポロポロと涙が頬を伝った。
視聴覚室の中はカーテンが閉まっていて暗かった、入った瞬間にモニターが付き大スクリーンにポルノとおぼしき映像が流れる……
「うそっっっっ……」
その映像の中で巨大な犬が一人の女性を押し倒していた、見覚えのある顔が映っていた。
「いつまでそんな服着てんだよ、ぬげ!」
誰もいないと思っていたあちこちに不良達が立ち上がりまとわり付いて来てセーラー服に手をかけていく。
「いや、やめなさ……」
抵抗らしき行動はするもののいつもの彼女のような精細さは無い。瞬く間に下着をつける事を許されない皐月は全裸にされてしまった。
「いやあ、やめてよもう気が済んだでしょう……」
「なに言ってんだよ、これからはお前はオレ達の奴隷なんだよ、なあ正史!」
「まったく君達はペットの扱いってものがわかってないな……無理に脱がさ無くたって自分で脱ぐのに……」
正史の声が聞こえる……
「ちゃんと言い付けどおりに来たね、ご褒美をあげなきゃね……」
そう言って奥で何かを操作したらしく新しく映像が重なるように映し出される。
「いや……何なの?」
新たに映った映像の中で先程と同じ構図で別の女性が犬に組み伏せられていた……モニターの中で皐月と弥生の悲鳴が重なっていた。
「先生……うそ……」
「嘘じゃ無いよ」
その声はモニターのすぐ下から聞こえた……聞き覚えのある声……その声を聞いただけで毎日幸せになっていた昨日まで……
「弥生は春から僕達のペットだったのさ……」
そこには皐月の想い人工藤がいた、脇に裸に首輪と猿轡、身体中を荒縄で緊縛された弥生先生がいた……
「ようこそ、僕達の享楽の宴へ……皐月君……君を歓迎するよ」
その瞬間部屋の明かりが付いた、そこには学校中の不良生徒とまるで王様のような工藤君がいた……
そして室内は大きな歓声に包まれていく、この場で悲しみの涙を流している二人の奴隷以外のボルテージはどんどん上っていく所だった。
皐月と弥生は教卓をどけたちょっとしたステージのようになっている所に二人でいた……視聴覚室中の視線が注がれている。
「まさか先生がこんな事してるなんて……」
「私だって、あなたを巻き込みたくなかった……」
二人は肌を寄せあい唇を重ねていく。
長くねっとりと舌をすう弥生に皐月の頬が赤く染まる。
「ぷは……わたしこんなのイヤ……」
「我慢して、見られてるけどこれで最後までいけば今日はそれで終わりにしてもらえるのよ……我慢して……」
表情を曇らせる弥生の言葉に皐月は不安を憶える。
「今日はって……先生……」
「毎日よ……逃げる事も出来ずに……」
喋りながらも弥生の手は皐月の弱い所を攻めていく……そして股間の上にある傷を摩りながら
「可哀想に、あなたもされたのねこれ……」
導かれるままに弥生の股間に手を持っていく、反り上げられて一本も陰りを持たない陰部に煙草の火でも押し付けたようにいくつもの痕が残されていた……
「先生!これは……」
「いいのよ……舐めて……」
触らせたあと大きく両足を開いて自分の陰部に導いていく、痛々しいそこにはそれでも神々しく神秘的な女性器があり誘うようですらある。
「先生……」
勇気を奮い起こすようにそこに舌を付ける。確かに男達に無理矢理やられる事を考えればこの方がいいのかもしれない……そう思うと目の前の先生も愛おしく思えてくるのだった。
「つまんないね、どうしよう?」
その様子をビデオに収めながら正史は脇にいる工藤に問う。
「馬鹿だなもうちょっとだよ」
「でも、奴等飛び付きそうだよ? 兄ちゃんの学校馬鹿しかいないんじゃ無いの?」
「そう言うな正史、最後にはやらせてやるさ、だがあの二人には誰が主人が魂に書き込んでやらなければいけないからね」
性欲など無いと言った表情で抱き合い愛しあう二人の牝犬に視線を向けている。
「ま、いいけどさ……」
「モノはね……壊れる瞬間が一番美しいのさ……フフフフフフフフフ……ハーハハハハハハハハハハハハハ」
相変わらず中央で二人の奴隷が労りながら愛撫をくり返していると
「埒が明かないね、先にイカされた方は仕置きにかけることにする!」
工藤の声が視聴覚室に響く……その瞬間弥生は立ち上がると皐月の上から猛烈な勢いで愛撫しバイブまで使って抽送を始めた。
「先生!先生……いやぁ……どうして……どうして急に……」
僅かばかりの友情と慈愛は吹き飛び弥生を恐怖が支配していた。
「仕置きはイヤ……仕置きはイヤ……仕置きはイヤ……」
よほど酷い目にあって来たのかもう皐月の声も聞こえない状態だった……
「先生……あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……くぅぅぅぅん……ひは! やぁあ……だめぇ……はぁぁぁあああああああん」
クタッと身体の力が抜けて放心してしまう皐月を見てようやく我に帰った弥生は
「はっ! 皐月ちゃん……」
ドサッ!
助け起そうとした彼女達の脇にバイブ以外にもいくつもの凌辱用のアイテムが落とされた。
「あと10回は連続でイカせるんだ、でなければ弥生も仕置きだよ……」
スピーカーから響く工藤の声に助け起す事をやめてそのアイテムを手にする弥生。
「ゴメンね……皐月ちゃん……」
「ひく……やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そして皐月の悲鳴は視聴覚室中に鳴り響いた……
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はあはあはあ……と弥生が肩で息をしていた。
「ご苦労だったね……」
その足元に昨日と違い快楽の中で意識を断たれた皐月が転がっていた……
「でも、これじゃあ使い物にならないじゃ無いか……こまったね」
心底困ったように言ってみせる。
「だって……10回って……」
弥生は言ってから口を押さえた。
「口答えをしたね、御仕置きだ……」
工藤はいつもと変わらぬ表情でそう言うと、待っていましたとばかりに不良生徒が弥生を連れて全員で出て行く……
「ごめんなさい……もう口答えはしません……許して下さい……お願い許してください……」
すぐに彼女の声は聞こえなくなった。
「どうするんだ? 正史?」
「僕が送ってくよ……もう彼女のマンションにペスを準備させてるからね……」
「そうか、まかせても大丈夫か?」
正史はその子供扱いの声に頬を膨らませて。
「なんだよ、僕だってちゃんと出来たろ心配しないでよ兄ちゃん! もういくよ」
そう言いながら一番弱く設定されているスタンガンを皐月に近づけた……